A quirk of fate
しばらくすると
海辺にたどり着いた。
「航生が来たかった場所ってここ?」
「・・・おう」
「航生?何があったの?教えて?」
そう聞くと彼はまた私を抱きしめた。
そして彼は私の腕の中に顔をうずめてきた。
航生が甘えてる・・・。
なんかおかしい・・・。
「ねぇ・・。聞かせて?」
「かっこわりーからヤダ」
「かっこ悪くないって。ほら。早く!」
そううながすと彼は話し始めた。
私が夢に出てきて、離れて
消えてしまって怖かったって。
これが正夢になったらって・・・。
聞いた瞬間、あまりにもかわいくて
吹き出しそーになったんだよ?
必死にこらえたんだから。
「航生・・・。
そんなに私のこと・・・」
「バカ優香」
そういって彼は私にキスをした。
一瞬触れるだけのキスだった。
けどとても優しかった・・・。