A quirk of fate
[優香side]
教室に入ったら一人男子がいた。
だれかなんてわからない。
声をかけられたけど
喋る気分じゃないんだよね・・・。
『航生って呼べ』
って言われても関わる気ないし。
まず友だちいらないから。
そう思いながら
私は彼の話を聞き流して
机に突っ伏して眠りについた。
一時間目は数学。
なんで朝っぱらから
計算なんてしなくちゃいけないのよ。
しかも私目つけられてるし・・・。
最悪・・・。
もう一回寝よっと・・・。
そう思った瞬間
数学のクソ佐藤が口を開いた。
「だれかこの問題とけるやついるか?」
黒板に書かれているのは
大学入試レベルの問題。
高1にこんなのとかせてんじゃねぇーよ・・・。
「じゃあ誰かあててみるか・・・。
あーぁ島田。わからなくてもいいから
ちょっとやってみろ」
なんで私なんだよ・・・
佐藤はニヤニヤしながら私を見ている。