消えぬ想い
-結衣Side-


テストも近いし、受験も近い。

どうすればいいの?

パニック寸前の神原結衣です。

マヂでどうしよう。

「あーどうしよう。ねぇ助けてよ!」

「絶対ヤダ。言っても理解しないじゃん」

「黙れ、ドラえもん」

小声で呟いたつもりだったんだけど、聞こえてたらしい

「誰がドラえもんだってぇ?ねぇ?結衣さん」

「地獄耳!ドラえもん!トトロ!!」

「あーはいはい。去年の春にもトトロって言われた気がすんだけど」

「えぇ。言いましたよ。あまりにも似てたもので」

「ムカつく」

「だったら、ダイエットでもしたらどうですか?」

「ヤダ」

あーもうなんで、こんなにむかつくんだろう

こんなに


こんなに


こんなに大好きなのに―――――。


「結衣?どうした。そんな悲しい顔して」

「え?」

「また、矢野か。しばらく忘れたら?スッキリするかもよ?」

「うん。忘れる方法がないんだけど」

「じゃぁ、うちと、奏音と、美音でバカみたいなことしようぜ」

「例えば?」

「近所の公園で水遊びとか」

「・・・とりあえずはっちゃけちゃおうか!」

「それが一番いいよね。」





ねぇ・・・先生。

“忘れる”ってこんなに大変なんだね。

こんなに辛くなるんだね。
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