二章 中年の男①
目が覚めた時、汗が止まることなく、髪の毛から頬を伝って滴り落ちていた。
 

 昨晩、寝る前に三時間タイマーをしたクーラーはとっくに冷風を送るのを止め、そのため締め切った室内は蒸し風呂状態になっている。
 

 私は絶えるに耐えられず、起き上がってクーラーのリモコンを手にした。これだから夏は嫌いである。まだ、起きなくてはならない時刻には一時間以上あるというのに、暑さで目が覚める。


 だからと言って、クーラーを夜どうしつけっぱなしにすると次の日の朝、汗が滴る代わりに鼻水が滴り落ちてくる。
 

 私は麦茶をコップ一杯飲み干してから、また横になった。
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