フレーム·イン《密フェチ》
レンズ1枚分のフィルター
いつものように私の隣に座る彼が、いつもと違う顔だったから、私は「おはよう」を言うより先に、
「どうしたの?」
そう言って、自分のこめかみの辺りをトントンと軽く叩いた。
「コンタクト、切らしちゃって」
年下の後輩の彼の、まだ学生の色が払拭しきれていない顔立ちに、その黒渕の眼鏡は違和感がある…はずなのに。
「へぇ、似合うじゃん」
思いの外しっくりとくるビジュアルに、私はしげしげと彼の顔を見つめた。
そのせいで、昨日までの彼の顔が思い出せない。
「そうっすか?」
「仕事できる感じがするわ。かっこいいよ」
普段の危なっかしい仕事振りを微塵も感じさせないその顔に、思わず率直な感想がぽろり。
「どうしたの?」
そう言って、自分のこめかみの辺りをトントンと軽く叩いた。
「コンタクト、切らしちゃって」
年下の後輩の彼の、まだ学生の色が払拭しきれていない顔立ちに、その黒渕の眼鏡は違和感がある…はずなのに。
「へぇ、似合うじゃん」
思いの外しっくりとくるビジュアルに、私はしげしげと彼の顔を見つめた。
そのせいで、昨日までの彼の顔が思い出せない。
「そうっすか?」
「仕事できる感じがするわ。かっこいいよ」
普段の危なっかしい仕事振りを微塵も感じさせないその顔に、思わず率直な感想がぽろり。
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