君に贈る恋のうた。
杏璃の様子を見に、寝室を覗いたけどまだぐっすり寝ていて。
うっすらと額に汗が滲んでいる。
まだ7時だ、もう少し寝かせても大丈夫だろ。
俺はタオルで杏璃の汗をふいてから静かに寝室を出た。
リビングに戻り、テレビを消すとやけに孤独感を覚えた。
無駄に広い部屋。
杏璃がいなきゃ、俺はとっくに狂ってる。
視線を部屋の隅によせて、おいてある、赤いギターをとった。
無性に弾きたくなる音。
形に残したい歌詞。
ーー新しい音は、こんなときに生まれるんだ。