君に贈る恋のうた。
歌が出来た時にはもう、どんな台詞がのせられるか決まっていて。
極端に言えば俺の歌は、全部杏璃へ向けたラブレターなのに、本人はそれに気付いてないらしい。
まぁ、そんなところも可愛いんだけども。
……何考えてんだろ、俺。
訳のわからない感情が一気に頭の中を支配して、ぐるぐると掻き回す。
ぐしゃぐしゃと髪をかいて、俺はギターを弾く。
イライラしたときはいつだって音で発散する俺。
そうしている間はどんなことでも忘れていられる。