君に贈る恋のうた。
コートを脱ぐとすかさず後ろにスタンバイしているスタッフさん。
座る際には椅子を引いてくれる、どこまでも紳士な、完璧な接客。
致せり尽くせり。
まさに超一流……
「杏璃」
『…へっ?』
「ふっ、緊張しすぎだから」
『…だって、』
「個室だからそんな堅くなんなくても大丈夫」
『…うん』
「ん、何食べる?」
しらっと言うゆづに目眩を起こしそうになった。
急に言われてもわからないよ。慌ててメニューを開くけど、日本語じゃない。
え、なにこれ。
英語?まさかイタリア語?
なんて書いてあるか全然わからない。