君に贈る恋のうた。





コートを脱ぐとすかさず後ろにスタンバイしているスタッフさん。


座る際には椅子を引いてくれる、どこまでも紳士な、完璧な接客。


致せり尽くせり。
まさに超一流……




「杏璃」



『…へっ?』



「ふっ、緊張しすぎだから」



『…だって、』



「個室だからそんな堅くなんなくても大丈夫」



『…うん』



「ん、何食べる?」





しらっと言うゆづに目眩を起こしそうになった。
急に言われてもわからないよ。慌ててメニューを開くけど、日本語じゃない。


え、なにこれ。
英語?まさかイタリア語?


なんて書いてあるか全然わからない。


< 135 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop