君に贈る恋のうた。
その時、あたしは初めて泣いた。悲しくなった。
感情をなくしたロボットみたいなあたしが町の真ん中で泣き続けた。
深い灰色の空からは、真白の雪が降っていた。
「…泣いてるの?」
泣き喚くあたしの少し上から艶っぽい声が聞こえて。
顔を上げると、綺麗な人がしゃがみこんであたしを見ている。
マフラーとメガネで半分以上隠れているのに、オーラが半端ない。
『………』
何も答えられないけど、目から涙はポロポロと溢れる。
「どうしたの?」
『………っ』
「…言って?」
『あた、し…一人、なの。誰も…いないの。』
「うん」