君に贈る恋のうた。
気が付けばつらつらと想いを語っている自分がいて、
『…寂しい、なんて今まで……思ったこと、なかったのに。』
「うん」
『なんで、あたし…
ーーー生きてるんだろう』
こんなに不安定だったのは、きっと嫌いな冬だったから。
見ず知らずの人にいきなりこんな話をしたって、どうにもならないのに。
「そっか、じゃあ俺が君を拾ってあげる。」
『ーーえ』
「だから、これからは俺といっしょに俺のために生きて?」
『………っ…、』
「もう一人じゃないよ、寂しくない。俺がいるから。」
こんな出逢い、生まれ変わったって有り得ない。
ゆづと出逢えた瞬間が、冬だったことに意味があるなら、あたしはそれさえも含めて好きになれた。
嫌いな冬が少しだけ好きになれた。