君に贈る恋のうた。
人気のない道を進み、壁にもたれ掛かりもう一度溜め息をついてから電話に出た。
『…もしも』
¨杏璃ちゃんっ!!¨
こっちがもしもしを言い終わる前に切羽詰まった男の声が響く。
『なんですか、加賀さん』
冷静ぶって聞いてみたけど用件なんて一つしかない。
¨理由は後で説明するからっ!とにかく門のところにいて!後5分でつくから!¨
言い終わると同時に切れた電話。
案の定、またか…と呟きながら門の前へと移動する。