君に贈る恋のうた。




俺が止まったことで加賀っちが車から降りてきたのがわかる。


いや、それよりもまず。
誰かこいつをどうにかしてくれ。


女からは香水の臭いがぷんぷんして、正直俺の大嫌いな甘ったるいバニラの匂い。



「それでぇ、今度はいつ会ってくれるぅ?」



語尾を伸ばしたバカっぽい喋り方も気に入らない。
思い込みが激しい典型的なタイプのファン。
彼女気取りかなんだか知らないけど、俺は世界がひっくり返ったってお前みたいな女なんかごめんだ。
誰が会うか。出来ればもう二度と会いたくない。





あー、イライラ再発。
やっと帰れると思ったのに。
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