君に贈る恋のうた。
「…さっきから黙って聞いてれば、お前何喚いてんの?」
女の腕を払いのけて、少し遠ざかる。
そんな俺と比例するように、女に近付く加賀っち。
「お前の頭、飾りかよ。誰が誰のために書いた歌詞だって?ありがとうだ?ふざけてんじゃねぇぞ。」
「…え、え?」
「お前みたいな穢い女がユツキの彼女気取りか?見苦しいにも程がある」
「…な、なによ!」
「普段ユツキがどんなやつかも、今がマックスで機嫌悪ぃことにも気付けてねぇような女が彼女なわけないだろうが」
「………え」
「こいつの描く歌詞は一人だけのもんだ。さっさと失せろ。あんましつけぇと警察呼ぶぞ。」