君に贈る恋のうた。
ふかふかの高級ソファーにもたれ掛かると、やっかいな睡魔が襲いかかってくる。
うとうとしてると、遠くで車のエンジン音が聴こえ、少しして乱暴に玄関の扉が開く。
お出迎えに行きたいのに、起きれない。体が起きてくれない。
あたしが睡魔と戦っている間に、ゆづはあたしのいるリビングまで来た。
「ただいま、杏璃」
『……ん』
「寝てるの…?」
ゆづがあたしに近付いてくるのがわかる、
綺麗な指が滑るようにあたしの髪を撫でた。