君に贈る恋のうた。
唯月side
イライラしながら帰って来たけど、これから杏璃に触れると思うと自然に顔が綻ぶ。
ーーーーが、
実際帰って見ると杏璃の様子がおかしい。
俺の手を払いのけたり、目を合わせなかったり。
俺なんかした?
聞いてもなんでもない、の一点張り。なんでもないわけないだろうが。
ああああああ。
すっごい苛つく。
でも杏璃がおかしいのは俺のせいだろうし、このままほっておくわけにはいかない。
何度もしつこく聞き出す。
何回目かで、おずおずと杏璃が口を開いた。