君に贈る恋のうた。
ーー適当に流して、ご飯食べて帰ろう。
大企業のエリートさんとお近づきになれたところで、育ちのいい人はみんなあたしの生い立ちを気にするから結局はなんの意味もない。
はぁ、とここに来て初めてのため息をついた。
ゆづは今なにしてるかな…
今日は呼び出しがなかったから、ちゃんと仕事を頑張ってるはず。
またマイペースを発揮して加賀さんを困らせてないといいけど。
ーーーハッとする。
また、ゆづのことを考えていた。
頭を左右にふって、考えるのをやめる。
いつも彼を子供扱いして心配してしまうのはあたしの悪い癖だ。
タイミングよく運ばれてきた、グラスに入った綺麗なシャンパンをグイッと飲んだ。