君に贈る恋のうた。
「4th_song」
加賀っちに悪いことしたかな。
俺に一言も怒ることなく家まで送ってくれた。
帰り際に「今日のことは俺がきっちり断っておく…明日、遅刻すんなよ」と言い残しさっさと消えた。
うーん、あれはマジギレなのか。
加賀っちはいつもキレてるからよくわからないな。
会食のことを思いだし、憂鬱な気分になりながらも家の扉を開く。
帰って来たんだと思うと肩の力が一気に抜けていった。
ーーーーーけど
なにかおかしい。
鍵の閉まった扉。
電気のついていない、真っ暗な室内。
出迎えてくれる、彼女。
杏璃が、いない…