君に贈る恋のうた。
店はそんなに遠くなかったが赤信号が嫌に長く感じた。車を走らせること約30分。
バーのような雰囲気の店。
外見は悪くないけど、煙草と酒の臭いで噎せかえりそうだ。
俺はあまり好きではない。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
『…連れを迎えに来ただけなんで、』
店員をかわして、ぐるりと店内を見渡す。
結構な混み具合で、なかなか見つからない。
杏璃、どこにいる?
『ーーーーいた』