君に贈る恋のうた。






「ユツキー!」



「嘘っ!?」



「本当に本物!?」



「超かっこいいー」



「サイン下さい~!」



「キャーユツキー!」







やば。
店内はもはやカオス。


落ちたメガネをかけ直し、帽子も深く被る。


杏璃を見ると酔いは醒めたのか状況を理解したようで顔を真っ青にしてもう泣きそうだ。



こっちもやべぇな。




杏璃の手をぎゅっと握りしめて、流れるように店を出た。


呼び止める声や人を全部シカトして、車に乗り込んですぐさま発車させた。



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