物語はいつも「幸せに暮らしました」で終わってほしい
「だから、少し待っててくれる?」
「え?」
「んー、5時くらいには帰れると思うんだけど」
「あ…、うん!待ってるね」
「さんきゅ。じゃ、また後でな」
ぱたぱた……―――
「いつ見てもさわやかくんだわ。さすがおーじさま…花梨?」
「……」
「かーりーん?」
「………」
「……」
バコッ
「ったい!!!」
「浮かれてんじゃないわよ
こ れ
図書室に返しとけって頼まれてたでしょーが」
「…っ。せ、生物図鑑……叩いたの?!それで?!」
「大丈夫よ。生きてるでしょ
うち今から部活だから。じゃーね花梨」