クッキーと花びら【短編】
「今日中に、提出します。」


彼が目を伏せて、静かに言った。



「よろしく。」


私もそれだけ言って、視線を落とした。




天野くんが席に戻ると、周囲の空気が和らぎ、次第にいつもの雰囲気になった。




でも私の心中は、すぐには治まらない。



なに? あの態度。いつから、あんな返事するようになったのよ!

入社した頃は、子犬みたいに可愛くて素直だったのに…

だから、色々教えてあげたんでしょ!





でも… ちょっと大人気なかったかなぁ…



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