クッキーと花びら【短編】
「あの… みお、さん…」



しばらくして、若い女子社員が遠慮がちに、私に声をかけてきた。


うちには同じ名字がもう一人いて、下の名前で呼ばれる事も多かった。



「ん? どうした?」



「チョコ、どうしますか?」



「あー… そうだったねー。」




今日は、バレンタインデーだった。




「私が雰囲気悪くしちゃったね。もう少ししてから、あなた達が配ってくれない? 若い子にもらう方が、みんな嬉しいだろうから。」





可愛い女子社員から、チョコをもらってニヤける男性たち。


やっぱ、義理でも嬉しいのかな…



そんな事を考えたあと、私は仕事に没頭した。



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