雨あがりの空に

異変

季節は、もう夏に入ろうとしていた。

ミーンミンミンミン。


外では、セミが鳴いていた。


いつもの朝…。

リビングに行くと…。いつもなら翠が朝食を作っているけど、そこに翠の姿はなかった。

何でだ?寝室には居なかったから、もう起きていると思っていたのに…。


リビングで、一人キョロキョロしていると、寝癖だらけの拓海も起きてきた。

「…ふぁぁ~、パパおはよう」

「おはよう、拓海。ママ見てないか?」

「ママ…?見てないよ」

「…どこに行ったんだろうなぁ…」


そのうちして、翠がリビングにやってきた。

「あ、ママ!おはよう!」

「翠…。どこに居た?」

「ごめんね。ちょっと気持ち悪くて…トイレに行ってた」

「大丈夫なのか?」

翠の顔色は悪かった。

「平気平気。たぶん、夏バテだよ!」

翠は笑いながら言った。

「そうか。あんま無理すんなよ?」

「うん。すぐご飯、作るね!」
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