雨あがりの空に
「…先輩って、外見からするとクールでカッコイイ感じなので、少し話しかけづらいっていうか、固いっていうか…」

「…うーん、それは褒めてんのかな?」

「…ふふ…そのつもりですけど?」


前田さんは、少し笑った。


「でも…先輩は優しいんですよね」

「…そうか?」

「優しいですよ。たまに眉間にシワを寄せて何か考えてますけどね」

「前田さんって…意外と辛口だよね。ほら、最近の辛口女子ってヤツ?」

「…先輩、それは褒めてるんでしょうか?」

「褒めてるよ?個性があって良いじゃん」

「……まぁ、先輩だから良いか…」

「…何じゃそりゃ」

「……入社したときに、私…かなり緊張してたんです。何か公共の場所の仲間入りだから、変なところはないとか…色々気にしちゃって、パニックになっちゃったんです。……面接に行くときに…たまたま見ちゃったんです」

「何を?」

「先輩が上司さんに怒られてるところを」

「…マジ?」
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