雨あがりの空に
ガチャッ。

「…ただいま」

帰宅時刻は、11時だった。

いつもより、かなり遅い。

家の中は、静かだった。

もう…翠も寝てるよな?


そーっと寝室を覗いた。

スースーと拓海は静かな寝息を立てて寝ていた。

…だけど、そこに翠の姿はない。


…おかしいな?周りを見渡しても翠の姿はない。



「…ゥッ…ゴホッ…ゴホッ…エホッ…」


トイレの方から、苦しそうな声が聞こえてきた。


「…翠!?」


俺は、すぐにトイレに駆け寄った。


顔色の悪い翠が、胸を押さえながらトイレから出てきた。


「翠!?どうした?大丈夫か?」

「……裕也…気持ち悪くて…吐き気が…」

翠の足元はふらついていた。

今にも倒れそうな翠の肩を支えて、ソファーに寝かせる。


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