雨あがりの空に
俺は、拓海の肩を掴み、拓海の目線に合わせてしゃがんだ。


「…拓海…ママはな、体が弱いんだ。ママの方が拓海よりも生きているけど、ママは…拓海よりも体が弱いんだ」

「…そうなの?」

「…うん。だからな?ママは、ちょっとの間だけ…また病院に入院するんだ…だから少しの間だけだから、我慢してな?」

「…でも…ママに会いたいな……」


ポタッ…。


…え?…


俺の手のひらに、雫が落ちてきた。


「……ママに会いたい……」

拓海の涙がポタポタと落ちてきた。



俺は、ギュッと拓海を抱き締めた。


「…ごめんな?拓海…」

俺は、拓海を抱き締めてやることしかできなかった。
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