雨あがりの空に
携帯を取り出して、知り合いに電話をかけた。

拓海が居なくなってしまったことを伝えると、みんなが協力して探してくれた。


俺は、片っ端から拓海の行きそうなところを探した。


「拓海ー!」

でも、どこを探しても居ない。

アイツ…どこに行ったんだよ。


俺は、もう半分…泣いていた。


「…クソ…クソッ!」


今、自分がどこを走っているのか分からない。

それでも走り続けた。



俺は…ふと足を止めた。


「…ふっ…うぅぇ…パパ~…」

子供のすすり泣く声が聞こえた。


家から30分くらいかかる公園。

その公園のブランコに座りながら…顔を覆って泣いている子供が居た。


それは、間違いなく…拓海だった。


「…拓海!?」

「……うっ…パ、パ?」

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