雨あがりの空に

残す思い出たち

その次の日…。


翠は約束通り、家に帰ってきた。


「ママ~!おかえり~!」

「ただいま~!」

「僕、ずっと待ってたんだよ!」


俺と拓海は、一週間の休みと取った。翠との最後の思い出を作るために…。

俺は、昨日の夜、考えた。翠のため、拓海のために何ができるのか?


それは、笑ってみんなと過ごすことだと思ったんだ。

俺も、後悔したくないから。


「うひゃ~!久しぶりのおうちだぁ!」

「ママ嬉しい?」

「うん!嬉しいよ!」


「よしっ!ママが帰ってきた記念に、どこかに出掛けるか!」

「うん!行こう!ママ、どこに行きたい?」

「…ねぇ、じゃあ!みんなで運動会しようよ!」

「…運動会?ママ、運動会は…9月だよ?」


拓海は不思議そうに聞いた。
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