雨あがりの空に
「ママ~!!」

「拓海~!!来てくれたんだね!」

「うんっ!ママ!お散歩しよっ?凄く良いお天気だよっ?」

拓海は、ニコニコ笑いながら、空を指さした。


「拓海、ダメだって。…ママは体が弱いの知ってるだろ?前に言っただろ?」

「…えぇ~。でも…」

拓海は、ショボンとした。

すると、翠は首を横に振った。


「私なら大丈夫だよっ!もう元気だもん!拓海、お散歩行こう!」

翠は、拓海の手を握った。

「…おいっ…翠!」

翠を引き止めようとすると、七恵さんが俺の両肩を掴んで止めた。


「…え?七恵さん?」

「…いいの…裕也くん、行かせてあげて…」

「…でも…」

「…見て?…翠、凄く嬉しそうに笑ってるでしょ?」


俺は、翠と拓海の後ろ姿を見た。


手を繋いで、楽しそうに話している二人の後ろ姿。


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