Per Fumum~元カレの香り~
スッキリした一重の男前で、背も高くて、肩幅が広い。
笑うと目の端にしわが出来て、意外に可愛くて――。
「お前がべそかいてるのは見ててつらいよ」
時々、はっとするほど女を可愛がる言葉を吐く。
「香り……」
「ああ、変えてない。お前が昔くれたやつ、ずっと使ってる」
ぎゅっと目を閉じると同時に、あの日に心が飛んだ。
香りは時を飛び越える。
「もう俺から逃げるなよ」
眠っていた思いをいとも簡単に呼び覚ます。