Love Flower 〜いつのまにか〜




『綺麗だったね〜。』


『最後の凄かったなー。』




遠くの方から、人の声が沢山する。











私は、立ち尽くしたままで。


その明るい声が、橋の上を通っても、遠く感じた。















「・・・・っ。」



溢れただした涙が、止まらなくて。



でも、ここにはもういたくなくて。





私は涙を拭わずに。




一人、人込みの中に紛れた。







「・・・き・・・・・・佐々木!」




声と共に後ろから手を掴まれる。












・・・・・・え?













「・・・・な・・かの?」



中野は一緒のクラスで、1番仲のいい男子。





広じゃなかった。



そう思っている自分がいて。




情けなくなった。








「やっぱ佐々木だぁ。

遠くから見て絶対そうだと思っ・・・・って、え?






佐々木、泣いてたの?」





あ・・・。

拭うの忘れてた。





でも。
中野には隠せないかなぁ。





「・・あは・・・。




振られちゃった!」



精一杯、笑う。

精一杯、元気な声で。









「・・・・・・・・・え?」



明らかに驚いてる様子の中野。





って、そりゃそうか。



いきなり大発言だもんね。


でも隠せなかったしなー。






なんて思ってたら、

いきなり真剣な表情になった。







「佐々木。」



「な、なに?」



なんか中野が真面目とか。

ちょっと変なかんじ。




辺りは誰もいなくなり。


虫の声だけが響いてる。







「俺・・・・。







佐々木が好きだ。」






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