変わった二人の変わった戦い【短編】
中学校から当たり前に作ってきた
双子の弁当だって作ってきた
これが当たり前やて
思ってたけど違うんか…
『そんな…凄い?』
『当たり前やゎもしかして夕飯も全部?』
『まぁ…オカン忙しいから家事やら下の子の世話は全部』
そう言うたあと
目をパチクリさせる坂上
『主婦やん!美月ってすごいんやな尊敬するわ』
尊敬って…
そこまで誉めることなん?
当たり前だと思ってたから
誉められるとゎ
全然思ってへんかった
なんか当たり前なことに対して
誉められたりしたら
こしょばいな…
『もーらいっ』
ボーっとしてたら弁当から
玉子焼きを取られてしまった
我にかえってちょっとっ
と言った時には遅く
玉子焼きは坂上の口の中へ
『あ……』
口をもぐもぐ動かして
飲み込む坂上
人に食べられるのんゎ初めてで
なぜか緊張してしまう自分
『……どう?』
気になりすぎてそう
聞いてしまう自分
黙ったままの坂上に
イラってしてきたけど
まずかったんかもしらん
とか考えてしまった
『俺に…作ってくれんか!?玉子焼き!』
『は?』
あまりにも突拍子な言葉に
驚くってか呆然とするうち
『あ…お、俺のオカンの玉子焼きまずいねんなぁ…』