変わった二人の変わった戦い【短編】


『俺な…ガキん頃車の事故にあってな、前に乗ってた親は即死、隣に乗ってた弟は…今寝たきりの状態』



うそ…
坂上にそんな過去あったんゃ
いつも明るいし
へらへらしとるから

なんも苦しいことなんて
おきたことないて思ってた


それやのにうち
ズカズカそんな悩みに
入り込んで…

なんて浅はかな自分や…



『俺ゎ親戚に引き取られた、やけど親戚ゎ働きマンやから実質俺一人』


『…そうやったん…』


『玉子焼きも弁当自体実は俺作』


え!?
だって坂上うちにすごい言うてたやん…


『美月みたいに上手く作れたらなぁ』


『やからまずい言うたんや』


笑ってそう言う坂上は
どっか悲しそうやったけど

それ以上ゎ聞かんかった


うちもしつこく聞かれたら
苦しいから…




『ん~迎えの時間やろ?ぢゃあ俺帰るゎな』


立ち上がって会計に行こう
としてる坂上


『まって!今日も一人なんやろ?どうせやし食べて行きよ』


『美月?』


はっと我に返って
自分の言うたことをリピートする


『あ、あれやで!雫と晃が遊びたがってるから』


うちなんで誘ってんの?
有り得へん…
相手は男やのに

坂上はポカンとしたあと
満面の笑みで


『美月に誘われるとかホンマ嬉しいゎ』


って喜んで歩きだす
そのあとを駆け足で追いかけて

『だから雫と晃やって!』


そう言ったけど聞いてないってか無視




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