変わった二人の変わった戦い【短編】
その言葉に
またあんぐりする亜矢さん
『あんた…アホやな…嫌しゃあないんか』
一人ブツブツ言うてる亜矢
アホって…ひどくないか
『美月…おはよぅ』
ビクッて反応してしまう体
後ろから聞こえる坂上の声
ゆっくり振り返ったら
坂上の少し悲しい顔
『ごめん坂上…うち男嫌い酷くなったみたいやねん』
『……せやよな』
そう言うて自分の席に
戻って俯く坂上
その姿に少しまた心臓が痛む
『美月…お前アホ…』
『アホてひどい亜矢』
『あんたなぁ…男嫌いひどくなったんならなんで坂上と普通に怒らんと喋ってんねん』
普通に…?
うち前どんな喋りかたしてたっけ…
多分すぐイラついて
ボロカス言うてた気がする
うち普通に喋れてんの?
『山下!山下!』
少し小さめの声で
うちの肩を叩く二人の男
『坂上どないしたんあんな坂上はじめて見たんやけど』
『あ…うちのせいかもしらんゎ』
『へ~って山下怒らんの?』
怒らんのって
なんでうちが怒るん?