変わった二人の変わった戦い【短編】




『ぢゃあうちは先帰るな』


二人にそう行って手を振る


『うん、また明日』


『美月ちゃんバイバイ』



わかった

亜矢が飼い主で彼氏が犬。

だから上手くなりたってる


なんて想像しながらバス停まで歩く。

うちの家はバスで20分のとこにある。


公立やからチャリ通がほとんどやけどね。

ほら、汗とか嫌いやからってだけ。



『あれ、山下 美月』


フルネームで、
しかも嫌いな男声で呼ばれ
一気に不機嫌な自分。


振り返ると同じクラスの
ハイエナの一人。

うち相当嫌な顔したんちゃうかな。



『なに』


『うわそっけな!俺なんか悪い事したか?』


もううっさい…
無駄に声デカいの要らんわ。

バスが止まり
無視して乗りこんで座る…


その横にお構いなしに座り込むそいつ。


『山下てさ、男に冷たいよなぁ』


この図々しいのも腹立つんよな、
なんか謙虚ていうんかわからんけど
そういうのが無いねんな、
やから動物やねん。
やからハイエナやねん。


あ、ちゃうって?



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