光の旅人
序
夜が来て、風に乗ったオーロラの切れ端が街に散りばめられました。家々の煉瓦や煙突に貼りついたそれは、一晩中輝きを放って、街全体を薄緑と金色と、そのほかのきらきらした色で包み込んでいきます。外に出て、空気を吸い込むと、その光たちが体をすり抜けていくように感じて、なんとも言えない心地よさと爽快感に浸ることができるのです。
その光が、旅立ちの合図です。私たちは、その無数の粒になった光を待っていたのでした。
その光が、旅立ちの合図です。私たちは、その無数の粒になった光を待っていたのでした。