光の旅人
「今ではもう開き直ったけどね。目が見えないなりに、何か仕事はできるだろうし
それに、感覚に頼って、何とか絵も描けるんだ。」
そう言ったクザさんは、穏やかに笑いました。
「え、じゃあこれは、目が見えない中で描いた絵ですか?!」
クザさんの前にある絵を見て、私は言いました。
「これ?そうだよ。まぁたぶんまだまだ下手くそだけどね。でもこれからもっと上手くなれる気がするんだ。コツはつかんだからね。
技術とか才能とかいうものはもちろん大事だけど、でもそんなことよりも、伝えたい、やりたいっていう気持ちを僕は大事にしたい。こんな風になってしまっても、何かを伝えることはできると思うんだ。」
クザさんは、輝いていました。語っていくうちに、彼の目にみるみる光が灯っていくのを、私は確かに見ました。
強い、強い光でした。
「クザさん!良ければ他の絵も見せてください!」
その光に見とれてしまって、無意識に言いました。クザさんが少し驚いた表情を見せました。
「え?僕の?あぁ…家に帰ったらたくさんあるが…来るかい?」
クザさんの足取りは軽やかです。杖を持ち、地面を探りながら、それでも軽快に歩きます。しばらく行くと、小さな木造の家が見えました。
「ただいま。お客さんを連れてきたよ。」
家に入り、クザさんが声をかけると、奥から小柄で、優しそうな女性が出てきました。
「紹介しよう。妻のエリ、こちらは光の旅人のユリだ。」
「こんにちは、エりさん。」
「こんにちは、ユリちゃん。可愛らしいお客さんね。」
にっこりして、エりさんは迎えてくれました。笑顔がとても可愛い人です。
「さ、上がってくれ。絵はその左手の部屋だ。」
部屋に通されて、私は小さく息を呑みました。たくさんの絵が、所狭しと並んでいます。窓からの陽射しに照らされて、その作品たちは、きらきらとした生命力を放っています。
「すごい…」
思わず私は呟きました。
「まだ目が見えてた頃の作品がほとんどだ。僕はこういう絵を描いていた。」
私はもう、夢中でした。すべて風景画で、色んな景色が描いてあります。木々の一本一本が活き活きとしており、滝の飛沫が今にも飛び出してきそうです。
そして、クザさんの目に宿った強い光を反射したように、きらきらとしているのでした。
「すごい…生きてるみたい…」
「ユリ、ちょっと来てくれ。」
それに、感覚に頼って、何とか絵も描けるんだ。」
そう言ったクザさんは、穏やかに笑いました。
「え、じゃあこれは、目が見えない中で描いた絵ですか?!」
クザさんの前にある絵を見て、私は言いました。
「これ?そうだよ。まぁたぶんまだまだ下手くそだけどね。でもこれからもっと上手くなれる気がするんだ。コツはつかんだからね。
技術とか才能とかいうものはもちろん大事だけど、でもそんなことよりも、伝えたい、やりたいっていう気持ちを僕は大事にしたい。こんな風になってしまっても、何かを伝えることはできると思うんだ。」
クザさんは、輝いていました。語っていくうちに、彼の目にみるみる光が灯っていくのを、私は確かに見ました。
強い、強い光でした。
「クザさん!良ければ他の絵も見せてください!」
その光に見とれてしまって、無意識に言いました。クザさんが少し驚いた表情を見せました。
「え?僕の?あぁ…家に帰ったらたくさんあるが…来るかい?」
クザさんの足取りは軽やかです。杖を持ち、地面を探りながら、それでも軽快に歩きます。しばらく行くと、小さな木造の家が見えました。
「ただいま。お客さんを連れてきたよ。」
家に入り、クザさんが声をかけると、奥から小柄で、優しそうな女性が出てきました。
「紹介しよう。妻のエリ、こちらは光の旅人のユリだ。」
「こんにちは、エりさん。」
「こんにちは、ユリちゃん。可愛らしいお客さんね。」
にっこりして、エりさんは迎えてくれました。笑顔がとても可愛い人です。
「さ、上がってくれ。絵はその左手の部屋だ。」
部屋に通されて、私は小さく息を呑みました。たくさんの絵が、所狭しと並んでいます。窓からの陽射しに照らされて、その作品たちは、きらきらとした生命力を放っています。
「すごい…」
思わず私は呟きました。
「まだ目が見えてた頃の作品がほとんどだ。僕はこういう絵を描いていた。」
私はもう、夢中でした。すべて風景画で、色んな景色が描いてあります。木々の一本一本が活き活きとしており、滝の飛沫が今にも飛び出してきそうです。
そして、クザさんの目に宿った強い光を反射したように、きらきらとしているのでした。
「すごい…生きてるみたい…」
「ユリ、ちょっと来てくれ。」