光の旅人
檻の中
ずっと、空を眺めていた。

小さな窓から見える、四角い空が、世界のすべてだった。


あぁ、雲が消えていく。

何て青いんだ、この空は。



僕はどこへ行くのか
僕はどうなるのか


この檻の中で、そんなこと考えるだけ無駄だった。

あの空は、もっと広いんだって知っているのに

もっと高く、飛べるはずなのに



もっと、もっと

誰も知らない場所まで

誰も知らない、明日まで。
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