Hello! My Sunshine!!

不思議ちゃん

『なぁ、敦のとこの1年どうよ?』

『う〜ん…そうだな…俺んとこみんな楽器初心者ばっかでさ。正直ちょい大変かも…。コンクールまであと1ヶ月だろ?やばいよなぁ…。』

『そっか。なぁ…新田ってどんな感じ?』

『え?あぁ新田?頑張ってるよ。そうそう、あいつ面白いんだぜ。こないだなんて楽器に音階のシール張ってんだよ!Saxにだぜ!小学校のオルガンかっつーの!
ウケ過ぎて練習どころじゃなかったよ。しかも笑い出したら止まんねーし。全く変な奴。』

『マジで?なんか楽しそうだな。』
今日はゴッドが出張とやらで、珍しく部活が休みになった。年中無休という、運動部ばりの文化部なので今日の完休は奇跡的なものだ。

『あ〜あ。でもさ〜せっかくの完休なのに、なんでお前と一緒にお茶なんかしてんだ俺…。』

敦はそう言ってため息をつくと、飲みかけのコーラを一気に飲み干した。
どうやら愛しの涼ちゃんは、久し振りの家族旅行に出かけて留守らしい。


『なぁ…敦 新田って彼氏とかいんのかな?』

『んだよ、気になんの?』

『お前だから言うけど…。俺どうやら一目惚れっていうか…。うわ━━━━━━━っ!!ヤバっ!心臓止まりそう!』

『お前、顔真っ赤!ハハハハ!女子みて〜!!』

『何だよ…笑うなよ!』

『じゃあ明日新田に聞いといてやるよ。』

『お…おぅ』

『でもさ、あいつかなり変な奴だぜ。まぁ いわゆる不思議ちゃんってやつかな?飽きないけどな。』

『あぁ知ってる。あいつ、いつも笑ってるし、見ててこっちまで元気になるよ。』

『あっ!俺のことまだ言うなよ!』

『了解!頑張れ奏ちゃん!それじゃ俺帰るわ。』

敦はニヤニヤしながら席を立った。


ヤバい。なんか今晩は眠れそうにないな…。

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