あの頃の私たち
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中3のころ―…
「とーた!とーた!
とーた!とーたー!!!」
今日は昼帰りの学校が補習で5時帰りになった私
そして私は今
昇降口の前にいる
「とーた!!」
さっきからずっと叫んでる5歳位の男の子
手には小さな傘と大きな傘が握られていた
今日雨だったな。
空模様をみて私は呟く
そして男の子に尋ねた
「とうたって誰?
誰かを待ってるの?」
男の子は明るく言った
「くろのとーた!
おにーちゃんだよ!」
くろのとうた?
聞いたことがない
「お兄ちゃん何年生?」
「3ねんせーだよ」
―――…
それが黒野冬汰
あなたとの出会いでした