君の幸せ
食器を洗いそそくさと部屋に戻る


『今度はわたしが行くとこ決めたよ。お返しに
出掛けませんか?』

敬語が入り交じった変な文章…

いいや 送っちゃおう


ご飯どきだから
返事がこないとは思ってたけど
本当に来なくてなんだか寂しいような

ちょっと複雑な気分になった


部屋にいてもすることはないし
部屋はこないしで
押し入れから漫画を引っ張り出した



「奏楽、たまにはお風呂ご一緒しようよ」
「いいね♪わたしがお湯ためてくるね」


バスタオルと着替えを用意して
お湯をためる


「さっきの話…光希くんのこと?」
「探るために入ろうって言ったぁ?」
「少しね」


冷蔵庫からジュースを出す


「そうだよ。お返しにね」
「姉妹は似るもんだね」

お姉ちゃんも初めての誘いのあとは
お返しをしたらしい

「たまったら呼んで。支度してくる」

私は頷いて
コップを片付けた


ああ 携帯が気になる…
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