卓上彼氏


私が降りたあと、藤堂くんもハンドルを握ったまま自転車を降りた。





「ありがとう、ここまででいーから」







「別に改札まで見送ったりしねーよ」






「あっそうですかぁ!」






つんけんした藤堂くんの態度に私もつんけん仕返して、駅の改札へ向おうと背を向けた。






「なぁ」






私が三歩ほど踏み出したとき、後ろから声がした。




< 130 / 221 >

この作品をシェア

pagetop