卓上彼氏


タッチペンでまずキャラクターの骨格をサッと描く。





物語にはやっぱり美男子が出てこないと始まらない。






デジタルイラストの機械はいつも通りのなめらかな描き味を私に提供してくれた。







最初にヒロインの相手役となる男性を考えることにした。








明日学校に行ったら藤堂くんにもう広められているかもしれない。



でもそんなこと今考えていたって仕方ない。






そう自分に言い聞かせてアニメ制作に集中することにした。







アニメやマンガのメインキャラクターはその作家の好みが反映されるというが、本当にそうだと思う。




私も実際今、自分好みの男性にしようと描いている。








体格はいかつすぎず、細過ぎず。


個人的には逆三角形型の男性が好みだから、肩幅を少し広めにたくましくした。




身長はもちろん長身で180センチ以上。





黒髪ストレートの綺麗な髪は襟足がやや長めで雰囲気は大学生っぽい感じ。





肌は男性にしてはやや色白、目はくっきり二重だけど顔は濃過ぎず凛として爽やかな感じ。











―――――よし!





とりあえずだいたい基礎は完成!



結構気に入ったラフ画が描けた。






次はペン入れ。




先ほどの男性の絵をさらに丁寧になぞり、下書きを消して完成。





それからどんどんモノクロのイラストに色を入れていき、立体的なキャラクターが出来上がった。








「はぁ、イケメン♪」





自分で描いた青年を眺めながら思わずうっとりとしてしまった。









なんで二次元の男性ってこんなにも清潔感があって清らかなんだろう。






こんな人が彼氏だったらなぁ~…。






私はディスプレイの前で大きくのびをすると、あくびを一つしてデスクチェアーから立ち上がった。






とりあえず今日は疲れた。



もう寝よう。







パソコンをシャットダウンすると、私はベッドに身を任せた。







この日は深い、深い眠りに就いた。


< 18 / 221 >

この作品をシェア

pagetop