卓上彼氏
絶対変だ、私。
レポートを無意味にパラパラめくりながら私は遠くを見ていた。
「なぁ!」
ダンッといきなり机を誰かが両手で叩きつけてきた。
びっくりして顔をあげると、目と目が合ったのは、さっきまで後ろにいたはずの藤堂くんだった。
「花園なんか変。俺また気に障ることした??」
それこそあの日のベッドのときよりは遠いけど、かなりの近さまで藤堂くんが顔を近付けてきた。
反射的にばっと顔を下に向けようとした瞬間、それを阻止するように藤堂くんの両手に顔を捕えられた。
「わっ………ひゃあっ」
顔がカーッと紅くなるのを感じ、私はキュッと目を閉じた。
「あっ!わっ!ごめっ…!」
状況に気が付いたのか、藤堂くんもぱっと手を離した。
「ごめん!」
もう一度はっきりと謝ると、彼は逃げるように教室から出ていった。