卓上彼氏
廊下に出ると、壁に寄りかかって藤堂くんが手招きしていた。
「何?」
動揺を悟られないように極力そっけなく話しかけた。
「なんでそんな距離とってんだよー、もっとこっち来いって」
私は知らず知らず藤堂くんとの間に距離をとっていたようで、確かに、間に人三人分くらいの距離があった。
「…ごめん」
私は言われたとおり藤堂くんの近くまで行き、それから彼と肩を並べる形で壁に寄りかかった。
「今月さぁ………………いや、やっぱやめた!!」
「はぁ?!」
「………花園さ………、クリスマス、暇?」
私は一瞬、何を言われたのか理解できなかった。