卓上彼氏
初めまして彼氏さん
「みかみ今日どっか寄る?」
「あーっ、先輩すみません、今日は用事があって」
「ん、りょうかーい」
先輩は手をヒラヒラさせて部室をあとにした。
『用事』なんて大それた言い方をして本当に罪悪感でいっぱいだったけど仕方ない、私にとっては重要な用事だ。
床に転がっていたバレーボールを拾い上げ、部室から出て倉庫に投げ入れる。
「お~いその入れ方はねぇだろ~~」
後ろから男性の声が響く。
振り返ると、そこには同じ学年で男子バレーボール部の藤堂 一馬(トウドウ カズマ)がいた。
初めて話しかけられた。