卓上彼氏
優しくて裏表がなくて人気者で……そんな彼が私を好き?
そんなことってあるの?
だって私のどこが?どこを??
何にもいいところないじゃん。
藤堂くんには特に冷たくあたってたし……。
藤堂くんが私を好きになるタイミングなんて一つも無かった。
私だって全然………………私…?…………私は……
─────私はどうなの?
沢山試行錯誤した先に、こんな単純な疑問を見つけた。
さっきからずっと藤堂くんの目線で考えていたけれど、私はどうなんだろう。
その瞬間、藤堂くんとの思い出が、一気にフラッシュバックしてきた。
走灯馬のように駆け抜ける、たくさんの彼の笑顔、笑顔、笑顔────────。
私は……私は………藤堂くんのことが…
「好き」