卓上彼氏
「ヨク、ヨクっ………!!!」
嫌だ、嫌だ行かないで!!
私の目からは大粒の涙がこぼれた。
「こんなの嫌だ……!」
私はドンドンとディスプレイを叩き、いくら叩いてももう無理だとわかって泣き崩れた。
画面はスライドショーに切り替わり、ヨクの描いた漫画が現れた。
本当に、私が描いたようなタッチだった。
ヨク、本当に描いてたんだ……。
私はその絵を指でなぞる。
そこには、私とヨクの毎日が一日一日余すところなくしっかりと記されていた。
悲しかったこと、辛かったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと…。
今こうして読み返すと、本当にいろんなことがあったと思う。
ハプニングもあったし、ケンカもしたし、デートもしたし一緒に勉強もした。
一緒にごはんを食べて、一緒にテレビを見て、一緒に寝て……。
普段の何気ない日常が、どんなに幸せだっただろう。
私たちはいつだって、共に泣き、共に笑っていた。
漫画の至る所で語られる、ヨクの心情。
普段ではわからなかったヨクの心が、言葉となって記されていた。
「ありがとう」
「嬉しい」
「大好き」
「可愛い!」
「俺、幸せだよ」
「みかみと出会えたことに感謝します」
「愛してる」
「幸せになって…」
その言葉の一つ一つが、深く私の胸に響いた。
私、ヨクにこんなにも思われてたんだ。
私と同じように、ヨクもこんなにも私を愛して、嫉妬して、ドキドキしてたんだ。
そして、物語はラストシーンを迎えた。