卓上彼氏


ラストは、ヨクが私をクリスマスデートに送りだす場面だった。





画面の中の私は丁度藤堂くんに誘われていた。








「クリスマス…………暇?」





そう言われた私はその誘いを断ろうとする。






『ダメ!ダメだ、断っちゃダメだみかみ!』





漫画のなかで、ヨクはそう叫んでいた。






バイブに気付いた私はヨクを見る。






「ありがとう、どうやって切り抜けたらいいかわかんなかった…!」




私はヨクの本心などわからずに感謝の言葉を述べる。







「そうじゃないよ、助けるために呼んだんじゃないんだ」





『どうかみかみ、わかって—————……みかみには、やっぱり三次元で支えてくれる人が必要なんだ。きっと、この人ならみかみを大切にしてくれるって、俺は思うから』






「クリスマス、行っていいよ、俺のことは気にしないで」







私は、ヨクがどんな思いでこんなことを言ったのか全くわかっていなかった。





彼女が自分以外の誰かとクリスマスにデートなんて耐えられるわけないのに。


それなのに私のことを考えてヨクはこの選択をしたんだ。





私はヨクの気持ちを考えたら、胸が苦しくて仕方なかった。


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