卓上彼氏
そんなたった今善人だと発覚したばかりの彼は、唐突にこんなことを言った。
「んじゃ今週の日曜体育館入試説明会で使えないから部活無いし、俺んち来いよ!妹に会いに」
「え?!藤堂くんちに?!」
彼氏でもない男子に家に誘われたのは初めてだったし、なんせまさか私が家に誘われる流れになるとは全く予想していなかったから驚いた。
「あ…そっか」
藤堂くんはなにやら思い出した様な顔をすると、独りで納得して続けた。
「なぁ…、——————花園って彼氏いんの?」
神社の木々が、ざわっと揺れた。